先日の記事でマインドマップ作成による業務効率化について説明しました。これまでマインドマップを作製したことが無かったという方でも、思考整理について参考にしてもらえたのではと思います。
まだ前回の記事を読んでない方は、リンク先の記事を参照してください。前回が「入門編」で、今回からが「実践編」という構成です。
実践編では何記事かに分けて、具体的な生成AI活用の方法をステップバイステップ形式で紹介していきます。マインドマップ作成の実例ですが、ChatGPTなど生成AIへの「指示の仕方」についても学ぶことができる内容です。
ようやく具体例が教えてもらえるんだね。。。
いよいよ実践編です!!実際の業務にも使えると思うので、参考にしてください!!
マインドマップを用いた議事録作成
マインドマップを使って会議の議事録を作成することで、出された意見や論点、結論などを視覚的にまとめることが可能です。
具体的には、次のような手順となります。
1 会議中に出された意見を記録する
※会議の種類によって、全発言を文字起こしするか、要点のみのメモにするか等は使い分ける。
2 会議終了後、発言記録や会議資料を基にマインドマップを作成
※マインドマップにより要旨、論点を整理する
3 マインドマップを見ながら詳細な議事録を作成
このような手順でマインドマップを作成することで、論点や概要が整理された、体系的な議事録を作成することができます。
作成例については、次の項目で説明します。
マインドマップの作成例
例えば、「新製品開発プロジェクトのキックオフ会議」があったとして、出席者から次のような発言があったとします。
この発言の一覧は「参加者の発言内容が全て正確に記録されている」内容です。このような、あるいは更にダラダラと発言者の意見を順番に記録して議事録作成をしている会社もあると思います。
このような議事録の場合、発言順序まで含めて記録としては正確かもしれませんが、参加していない人が内容を理解するのは苦労すると思います。発言を一つずつ読みながら、「どこか論点なのか」「誰の発言とつながっているのか」といったポイントを頭の中で整理する必要があるためです。
今回の事例である発言要旨を取りまとめて、マインドマップにすると次のような形式となります。
先ほどの発言要旨が列挙された状態よりも、コンパクトに論点が視覚化されて理解しやすいのではないでしょうか。
生成AIの活用により「論点を項目ごとに整理する」「同じような意見を集約する」といった作業が短時間で済ませることが出来ます。このような「情報の整理」のような作業はAIの得意分野です。
ポイントが分かりやすくなったね!!
AIを活用したマインドマップ作成方法
ここからが、AI活用によるマインドマップ作成の具体的な手順です。
AIを活用することにより、「発言を整理してマインドマップ作成する」という面倒な作業を短時間で行うことができます。
会議の発言をマインドマップ化する方法について、順番に詳しく説明します。
作業を小分けにしているので面倒に感じるかもしれませんが、作業としては短時間で可能です。
1.発言の記録:まず、会議中の発言を正確に記録します。これは、メモを取るか、ICレコーダーでの録音でも構いませんが、音声認識AIを使用して自動的に文字起こしを行うこともできます。
2.テキストデータの準備:記録した発言をテキストファイルにまとめます。各発言を別々の行に記述し、AIが理解しやすい形式にします。音声認識AIであれば、話者を自動的に判断してくれるようなツールもあります。
3.AI分析ツールの選択:テキスト分析とマインドマップ生成が可能なAIツールを選びます。例えば、ChatGPT、Claude、Geminiといった生成AIを利用する想定です。文字起こしや議事録作成をメインとしたAIツールもあります。
4.AIへの指示:選択したAIツールに次のような指示をします。
プロンプト例:
「次の会議での発言を分析し、主要なトピックと関連情報を抽出して、マインドマップ形式で整理してください。中心テーマは『新製品開発プロジェクト キックオフ』としてください。」
5.AIによる分析と構造化:AIがテキストデータから発言内容を分析し、主要なトピックと関連情報を抽出します。これらの情報を階層構造に整理し、マインドマップの基本構造が作成されます。
6.マインドマップの生成:AIが分析結果に基づいて、マインドマップの構造をテキスト形式や簡単な図形で作成して出力します。
7.マインドマップの視覚化: AIが生成したマインドマップを確認します。この工程は使用するAIツールによって異なります。
a) Claudeのような高度なAIの場合: AIが直接視覚的なマインドマップを生成することができます。特別なプログラ ミング知識がなくても、AIの出力結果(アーティファクト)として直接マインドマップが表示されます。
b)画像データでの出力の場合:SVG形式など画像データとして出力する場合があります。この場合は、いったんダウンロードして画像形式で内容を確認します。
c) テキスト形式での出力の場合:AIがマインドマップの構造をテキスト(コード)で出力する場合があります。(ChatGPTなど)このテキストをメモ帳にコピー&ペーストし、ファイル名を「マインドマップ.html」のように.html拡張子で保存します。このHTMLファイルをウェブブラウザで開くことで、視覚的なマインドマップが表示されます。
※文章にすると難しいですが、いずれの方法も、特別な技術知識を必要とはしません。非エンジニアでも簡単に美しいマインドマップを作成できます。
8.マインドマップの確認と調整:生成されたマインドマップを確認し、必要に応じて微調整を行います。情報の配置や階層構造が適切かどうかをチェックします。
9.最終版の作成:確認と調整を経て、最終的なマインドマップを作成します。修正は手作業でも構いませんが、「〇〇の部分を変更して」といった指示を生成AIに依頼すれば再作成されます。
10.共有と活用:完成したマインドマップをチーム内で共有し、プロジェクトの方向性の確認や次のステップの計画に活用します。
このような手順により、マインドマップを完成させることが可能です。「分析と構造化」もAIが行ってくれるため短時間で作成できます。効率的にプロジェクトの全体像を把握するのに役立ちます。
また、AI活用により「修正作業」も短時間で済ますことができます。
プロジェクトの進行に伴い、マインドマップを更新・拡張していくことで、常に最新の全体像となります。チームメンバー全員がビジュアルツール(視覚情報)を共有することで、方向性や進捗状況を統一できます。
文字にすると大変そうに感じるね。
実際はAIが行う作業が多いので大幅な時短になると思います。
AI活用で文字起こしから議事録作成までが可能
さらに、AIツールを活用することで、この議事録作成の一連の作業を大幅に効率化できます。
<生成AIを活用した議事録作成の手順>
1.会議発言を文字起こし(AIで自動化可能)
2.会議内容の取りまとめ(AIで要約可能。確認して人間か修正)
3.項目ごとに分類してマインドマップを作成(AIで作成可能。今回の記事での紹介した手順)
4.議事録の下書きまでを作成(AIで作成可能)
5.最終的なチェックおよび修正(人間が確認して最終的に微調整する)
文字起こしについても様々なツールがありますので、改めて記事にしたいと思います。
マインドマップを基にAI活用で議事録を作成するのは非常に効率的です。
手順を説明し、メリットについても説明します。
議事録作成の手順
1.議事録フォーマットの準備
まず、標準的な議事録フォーマットを用意します。
※「議事録を作成して」という指示だけでも資料は作成はされますが、フォーマットを提供することで人間が求めている精度の高い結果を得ることが出来ます。
<議事録フォーマットの例>
会議名:
日時:
参加者:
議題:
1. [議題1]
– 決定事項:
– 討議内容:
2. [議題2]
– 決定事項:
– 討議内容:
次回会議:
アクションアイテム:
2.AIへの議事録作成の指示
作成されたマインドマップと議事録フォーマットをAIに提供し、以下のような指示を出します。
<プロンプト例>
「このマインドマップの情報を使って、提供された議事録フォーマットに従って詳細な議事録を作成してください。マインドマップの各項目を適切な議題に分類し、討議内容と決定事項を明確に区別してください。」
3.AIによる議事録作成
AIがマインドマップの構造と内容を分析し、提供されたフォーマットに従って議事録が生成されます。
4.人間による確認と編集
生成された議事録を確認し、必要に応じて編集や追加を行います。
生成AIで議事録を作成するメリット
生成AIで議事録を作成するメリットについては、「楽ができる」ということ以外にも、次のような点が挙げられます。
メリット | 説明 |
---|---|
効率性 | マインドマップに主要ポイントが整理済みのため、AI活用でさらに短時間で議事録作成が可能。 |
一貫性 | 標準化されたフォーマットにより、会議ごとの議事録の一貫性が保たれる。 |
詳細の補完 | マインドマップの簡潔な情報を基に、文字起こしデータからAIが詳細情報を補完。 |
時間の短縮 | AIが短時間で議事録の下書きを作成し、人間は確認と微調整に集中できる。 |
正確性の向上 | マインドマップと議事録の二重チェックにより、重要な情報の漏れを防止。 |
会議の発言を取りまとめ、マインドマップ化、議事録作成の一連の流れをAIで行うことで、効率的な記録および情報整理が可能です。チーム全体での生産性向上も期待できます。
生成AIを活用して議事録を作成する際の注意点
AIでの議事録作成は本当に便利ですが、次の点には注意が必要です。
・AIが生成した内容は必ず人間がチェックし、正確性と適切性を確認することが重要です。AIは強力なツールですが、会議の空気感やコンテキスト(文脈)、微妙なニュアンスを完全に理解することは苦手です。
・機密情報や個人情報の扱いには十分注意しましょう。ウェブ上のAIサービスには機密情報などを読み込ませない方が安全です。機密情報を削除してからAIに指示する等、手動での編集も必要です。職場での規定がある場合は、必ず従ってください。
あるAIスクールの広告で、「上司に内緒で、議事録はAIに任せて楽しちゃってます…」みたいな訴求がありました。
分かりやすくデフォルメした事例なのかもしれませんが、業務上の情報を会社に無断でウェブサービスに投入するとか、普通の会社では重大な規律違反となるでしょう。(このスクールが詐欺だとは言いませんが、「AIでズルく楽をする」みたいなコピーで訴求するのはどうかと思います)
「Felo」については別記事でまとめていますので、リンク先を参照してください。(高機能AI検索でマインドマップ、資料作成までが短時間で作成可能です)
時短で楽する話だけでは終わらないんだね。
AI活用で働き方も変化します。
しっかり今から対応すれば大丈夫です!!
まとめ:生成AIを活用した業務効率化で、働き方の質を高めよう!!
マインドマップ作成に限らず、「文字起こし」も「議事録作成」も人間だけで完了させようとすれば莫大な時間のかかる作業です。個人的にも生産性も感じられない作業で、本当に面倒に感じていました。
しかし、生成AIの力を借りることにより、短時間で、しかも人間のみで作成するより完成度の高い議事録となります。また、縮減できた時間については人間が「議論」「意思決定」に集中することが出来るため、働き方の質を高めることができます。
業務効率化で得られた時間については、家族と過ごすことに使っても、余暇に使っても、もちろん副業やスキルアップでも構わないと思います。自由に生き方を選択することが出来るようになるのが、生成AI活用による理想的な未来だと私は考えています。生成AI活用による「脱社畜」についての考え方については、次のリンク先を参照にしてください。
また、文字起こしツールの活用方法についても、改めて記事にしたいと考えています。「料金プラン」「リアルタイムで文字起こしができるか」「スマホアプリを使用するか」「話者を認識するか」などツールによって異なりますが、文字起こしの精度も急速に向上しています。
次回は<実践編part2>として、「事業計画の策定」「アイデア出しへの活用」などについて説明したいと思います。
また、マインドマップ以外でも、業務効率化や時短につながるAI活用方法をブログ記事として紹介していきます。
AI活用により「理想を現実」にして、幸せな生活を手に入れましょう!
求めている未来は目の前にあります。AIのすけでした!!
ようやく少しだけ具体的な話になったね
できるだけ役立つ情報を発信します。よろしくお願いします!!